せとさんスポーツ

新聞にありそうな話題となさそうな話題をゆる~く雑記。ドラマ「相棒」と「100均」の記事は熱く攻めますよん。

【ドラマ感想文「相棒16-3銀婚式」】もし25年間いちばん大切な人にだまされ続けていたら。

結婚25年目のお祝いに

銀婚式は、結婚25年目のお祝いです。
25年は短い期間ではありません。四半世紀です。
25歳より下の年齢時に結婚した人は、結婚する前よりも、結婚してからの期間が長くなっています。

結婚式の前後に子供が生まれていたら、その子はすでに成人しています。
それでも、この記念日は「銀」婚式です。
金婚式を迎えるには、さらに25年の月日を重ねる必要があります。
結婚からの25年を振り返り、今後の2人を確かめ合う大切な日が、金婚式までの中間地点に設けられています。
「相棒16」の第3話「銀婚式」は、銀婚式をまもなく迎える夫婦がストーリーの中心となりました。

f:id:setosan1015:20171102140040p:image

 

妻の幸福を利用していたゲス旦那

大企業の専務・瀬川と、車椅子生活の妻・楓。
銀婚式に向けて2人で招待状を作る姿は、結婚式から25年を経ても、お互いの愛が強固なままであるように見えます。
しかし、2人の思惑には大きな違いがありました。
銀婚式で愛を確かめ合おうと楽しみにしている妻と、銀婚式を出世のためのアピールに利用するもくろみの旦那。
妻は、車椅子生活が続く自分に、これまで夫が献身的に接してくれたことに感謝しています。
もし、25年間、夫に利用されていただけだと知ってしまったら。
お互いの愛を確かめ合うどころか、25年間の記憶がすべて打ち砕かれてしまいます。
銀婚式でなくても、25年もの間、いちばん大切な人に裏切られていたと知ったら、誰でも傷つくものです。そのショックが憎しみに変わる人もいるでしょう。憎しみが殺意を生み出してしまうこともあるのでしょう。
だからといって、憎悪する相手を実際に殺害してしまうケースはほとんどありません。
法や秩序、倫理や道徳が、最後の一歩を踏みとどまらせてくれます。
しかし、一線を超えてしまう場合もあるようです。
その一例を、「銀婚式」が見せてくれました。

(純粋すぎる奥様が「菊池桃子」という、超反則技!(^_^;))

 

太田愛脚本の右京さんは「キュート」

 男性の脚本家が多い「相棒」ワールドで、太田愛さんは、女性の視点から見たストーリーを提供してくれます。とくに女性の視聴者から「わかる!」と共感されるケースが高い傾向にあります。
「銀婚式」では、夫婦の奥様側が主人公となり、その心の移ろいが描かれました。
最初は銀婚式を楽しみにして笑顔を見せていた女性が、しだいに心を閉ざしていきます。
犯行を認めた女性は「タバコの吸い殻なんて、誰も気にしないと思っていました」と漏らしました。
夫に裏切られていたと知った時の衝撃と比較したら、1本のタバコの吸い殻に価値を感じない気持ちはよくわかります。
しかし、真実をつまびらかにするためには、どんなささいなヒントも見逃さないのが、右京さんです。

太田さんは、インタビューで、右京さんについて
「クセがありますけど、男性として非常にキュートで魅力的な右京さんという役柄は、書いていて楽しいです。書いた時に水谷さんの声でセリフが聴こえてくると、《間違ってないんだ》と感じます」と話しています。(「相棒シナリオ傑作選2」、竹書房、2011年)
太田さんが仕掛けた謎に対して、推理と検証を積み重ねて、ついに攻略していく右京さんの姿は嬉々としているようにも見えます。
「相棒8-3ミス・グリーンの秘密」や「相棒11-3ゴールデンボーイ」では、登場したばかりの神戸くんやカイトくんの心境を丁寧に描いて、彼らのその後の活躍の幅を広げました。
一方で、「8-2さよなら、バードランド」や「相棒8-11願い」では、登場する多くの人物の誰が欠けてもその結末には到達しないような、伏線の張り方と回収の仕方がばっちり決まる作品を残しています。
「銀婚式」は、どちらかというと後者のタイプのストーリーでした。
瀬川と楓を次々に襲う「事故」の正体を見極めた右京さんと冠城くんは、複雑に絡む人間関係の知恵の輪を解いて、真相を突き止めます。

ブレない右京さんがユレはじめた?

右京さんは「人は犯した罪を法で裁かれなければならない」という信念を貫いています。真相を突き止めるためにはあらゆる手段を講じて、実行します。
この点について、水谷豊さんは、「右京を演じる時に決めている基本姿勢」があると、話しています。
「右京は警察官ですから、法律を遵守しなければならない立場にある。でも、人が生きていく上では、どうしても法律だけではまかない切れない部分が出てきてしまいますよね。そのとき、一体何が必要なのか。わかりやすい言葉で表現するなら、それは《愛》。人に対する《愛》しかないと思うんです」(オフィシャルガイドブック「相棒劇場版4・シーズン14.15」ぴあ株式会社、2017年)
右京さんの《法》と《愛》との葛藤は、「相棒」のストーリーの表面には出てきません。
しかし、《法》という揺らぎのないものの対極にある《愛》についての不思議に、右京さんは少しずつ吸い寄せられている気配があります。
「違法行為は見抜けても、女性の心は見抜けない」が右京さんの特徴です。
今の「相棒」には、太田さんだけでなく、多くの女性脚本家が参加しています。
男性脚本にはない部分での「右京さんがこんな人だったらいいな」という想像が、右京さんの「人間味」をどう肉づけしていくのか、今後が楽しみです。

 「記念日」に安心したい私たち

銀婚式は結婚25年目のお祝いです。

「相棒」が始まったのは2000年ですから、18年近い年月が過ぎています。
私は「相棒」が好きです。
ただし、離れていた時期もありました。
今は、水曜夜9時を楽しみに過ごしています。
私は結婚したことはありません。
当然、25年間も結婚生活を続けた経験もありません。
それでも、25年間一緒に過ごしてきた夫婦には、波風が立つこともあれば、お互いの信頼を深める出来事もあったことは想像できます。
25年間、自分ではない他人と一緒に人生を歩んでいくのは、大変なことです。そこにこそ生きがいがあるのかもしれません。
しかしやっぱり私には「夫婦」という概念が不思議です。
私には一般的に使われる「相棒」の概念も不思議です。
「夫婦」は結婚している二人のことを指します。
「相棒」は一緒に仕事をする仲間の意です。
「結婚」にしても「相棒」にしても、自分以外の誰かと共同作業をする点では同じです。
私の苦手な分野です。
ドラマの「相棒」を見て、右京さんが亀山くん、神戸くん、カイトくん、冠城くん、それぞれと少しずつ打ち解けていくたびに、うれしさと同時に、うらやましさを感じました。
人はどんなに孤独でも、誰かの心を求めてしまうものです。
右京さんも例外ではありません。

たまきさんと結婚した過去は、右京さんが他者に心を開こうとした証拠です。

25年の月日。夫と妻の「幸福」。25年後にわかった真実。
現代社会は、誰かを無条件に信用するなんて、あり得ない風潮があります。
私もその一人です。
誰かを信用できない社会だから、誰かを信用したくなるのかもしれません。
信用を確かめたくて「記念日」は大切にされるのかもしれません。

記念日くらい、安心したい。満足したい。そして、信用されたい。

未来はわからない。しかし過去は。

私は以前、びっくりしたことがあります。
「は? 1000日記念日、覚えてないの?」

と言われてしまいました。
1万日はいつかも、丁寧に教えてくれました。
付き合い始めてから27年後だそうです。
結婚してからではないですが、期間は銀婚式より長いらしいです。

当時は、別々の道を歩むことなど考えもしていませんでした。

2017年を起点にした27年後は2044年です。

「相棒14」の第5話「2045」で右京さんと冠城くんが2045年の社会について語り合っていました。

27年後は、その1年前です。

25年後は、2044年の2年前です。

未来のことは、誰にもわからないものなのですね。

銀婚式のありがたみが、少しわかってきました。


それでは「もし25年間いちばん大切な人にだまされ続けていて、それを知ってしまったら」について、具体的な例を挙げて、その心境を考えてみましょうか。

 

例→大企業の専務・瀬川と、車椅子生活の妻・楓。

 

怖っ!

 

【相棒season16第3話「銀婚式」】

脚本・太田愛、監督・内片輝

出演・水谷豊、反町隆史、菊池桃子、川野太郎ほか

 

↓こちらの記事もどうぞ~↓

www.setosan.net

www.setosan.net