せとさんスポーツ

新聞にありそうな話題となさそうな話題をゆる~く雑記。ドラマ「相棒」と「100均」の記事は熱く攻めますよん。

【3/24横須賀・横浜-ロッテ】勝ち負けにこだわる野球が「スカスタ劇場」の熱狂を呼び、育成につながる

3月24日に横須賀スタジアムで開催されたプロ野球イースタンリーグ公式戦・横浜DeNAベイスターズvs千葉ロッテマリーンズの試合は、7-5でロッテが勝利した。

スポーツ新聞などの二軍戦の小さな結果欄からはイメージすることのできない「ドラマ」が広がる内容となった。

3時間に凝縮された「スカスタ劇場」で、何が起きたのか??

f:id:setosan1015:20190324191507p:image

(4回表、投手・寺田光輝、打者・三家和真。この2人の共通点とは?画像引用=イレブンスポーツ)

試合結果は?

2019年3月24日(日)横須賀スタジアム

プロ野球イースタンリーグ公式戦

横浜DeNAベイスターズvs千葉ロッテマリーンズ

ロ=003 300 010=7

横=100 100 120=5

勝利投手=土肥

セーブ=永野

敗戦投手=櫻井

ホームラン=神里(1回裏ソロ、土肥)、中川大(8回裏2ラン、阿部)

スタメンは?

ロッテ

1(8)荻野貴司

2(6)松田進

3(9)菅野剛士

4(5)安田尚憲

5(4)香月一也

6(7)三家和真

7(3)茶谷健太

8(D)山口航輝

9(2)柿沼友哉

先発投手=土肥星也

 

横浜DeNA

1(D)梶谷隆幸

2(7)乙坂智

3(8)神里和毅

4(3)中川大志

5(5)飛雄馬

6(4)伊藤裕季也

7(9)青柳昴樹

8(2)西森将司

9(6)知野直人

先発投手=櫻井周斗

育成か、勝利か。二軍戦はどちらが大事?

二軍にいる選手の目標は、一軍に昇格して活躍することである。そのために二軍の試合に出場して、アピールする。

二軍戦は、若手選手の育成や、中堅以降の選手の調整の場である。

しかし、野球は、相手と勝ち負けを競うチームスポーツである。同じチームの選手と競争しながら、チームを勝利に導くことことが求められる。

この日、横須賀スタジアムの内野スタンドには、ほぼ満員の観客が集まった。

ベイスターズのオフィシャルパフォーマンスチームやマスコットが来場して、スタジアムを盛り上げる。ベイスターズファンが音楽に合わせてタオルを掲げる。

一方で、マリーンズファンの姿も少なくない。

両チームとも、オープン戦の最終戦が関東地区で行われているのに、ファームの試合を楽しみに来ている。

ファンは、選手の活躍とともに、応援するチームの勝利を求めている。

選手にとっては、複数の意味で負けられない戦いなのだ。

ベイスターズの先発投手は櫻井。高卒2年目、19歳の投手だ。

櫻井は22日のロッテ戦で、中継ぎ投手として登板している。23日に一軍で先発する予定だった投手が登板を回避し、二軍から先発投手が招集された。チーム事情により、24日の二軍戦で櫻井が先発することになった。中1日でのチャンス到来だ。

マリーンズの先発は3年目の土肥。土肥は17日の西武戦に先発し、6回無失点の好投で勝利投手になった。

両サウスポーの投げ合いで、試合が始まった。

相手ミスから松田進の逆転打

1回裏の神里のホームランで、ベイスターズが1点先制した。

この1点を布石として、次の点をどちらが取るかが、序盤戦の見どころとなる。

試合が動いたのは3回表。ロッテは先頭の高卒ルーキー・山口がライトへのヒットで出塁すると、柿沼がすかさず犠牲バントを決める。

ワンアウト2塁となったところで、櫻井は荻野に四球を与えてしまう。さらに、次の松田の場面で暴投が出て、ワンアウト2.3塁。

松田の打撃はライトへのタイムリーヒットとなり、3塁ランナーだけでなく2塁ランナーの荻野も本塁を駆け抜けた。ロッテが2-1と逆転した。

f:id:setosan1015:20190324192808p:image

(逆転タイムリーを含む2安打4打点の活躍を見せた松田進。画像引用=イレブンスポーツ)

続く菅野の打球はセカンドゴロ。しかし伊藤裕がエラーしてしまい、ワンアウト1.2塁。ピンチが広がる。

迎えるバッターは成長著しいロッテの四番・安田。安田の当たりはレフト前に抜けて、タイムリーヒットとなった。

ベイスターズ守備陣のミスに乗じて、ロッテがこの回3点を奪取した。

櫻井は3回まででマウンドを降りた。

寺田光輝、屈辱の四球と暴投

4回表。ベイスターズの2番手投手は寺田だ。寺田は独立リーグの石川ミリオンスターズからベイスターズに入団して2年目。27歳だ。

ロッテの先頭打者は三家和真。こちらは広島東洋カープの育成選手を経て、独立リーグの信濃、石川に在籍し、ロッテに入団した。

寺田と三家は、2016年のシーズンにミリオンスターズでチームメイトとしてプレーしている。

NPBの舞台での対戦は、両者とも感慨深いものがあるだろう。

この試合には他にもベイスターズの西森と知野、ロッテの和田と、独立リーグ出身の選手が出場した。

彼らがイースタンリーグで結果を出して一軍入りすれば、独立リーグからNPB入りを目指す選手たちに大きな希望が持たされる。

元ミリオンスターズ対決は、寺田が三家のバットをへし折り内野ゴロに仕留めた。次の対戦が楽しみだ。

簡単にツーアウトまで持ってきた寺田だが、山口にこの日2本目となるヒットを許す。次の柿沼の時に暴投で進塁を許し、柿沼には四球。雲行きが怪しくなる。

ツーアウト1.2塁で荻野を打席に迎えた。まずこの回2つ目の暴投で2.3塁となり、さらに暴投で1点。荻野には四球。

肩で息をする寺田に、松田がタイムリー二塁打を浴びせて、さらに2点。ルーキーの松田は2安打4打点だ。

3回、4回と、ベイスターズはミスを重ねて6失点。5点差となり、ロッテの勝利が早くも見え始めた。

しかし、ここからが横須賀名物「スカスタ劇場」の本領だ。

平田真吾が流れを変えた

ロッテの土肥は1回にホームランを浴びたものの、その後は危なげなく抑えてきた。

4回裏、土肥は先頭の神里に四球。中川大のヒットで1.2塁。続く飛雄馬を併殺打に打ち取ったが、伊藤裕にタイムリーヒットを打たれた。

やはり先頭打者に出塁を許すと、失点につながりやすい。

ベイスターズの3番手投手は平田。

平田は16日のイースタンリーグ開幕戦に中継ぎで登板し、ヤクルト打線を相手に1回6失点と、めった打ちに遭った。

22日のロッテ戦でも2回を投げ2失点で期待を裏切った。

f:id:setosan1015:20190324191709p:image

 

社会人出身の6年目右腕は、今年8月で30歳になる。右ひじ手術から戦列復帰した身とはいえ、いつまでも打たれたままではいられない。

平田は5回表、6回表と、打者6人をパーフェクトに抑えた。今回登板で引き寄せた良い結果を、次につなげることができるか、注目だ。

試合は、平田の好投で流れが変わった。

今岡真訪vs万永貴司 勝利にこだわる二軍監督

7回裏。ロッテは6回途中から2番手の大谷が投げている。

ワンアウトから、伊藤裕が打ち上げた飛球は、マウンドと本塁の中間あたりへ。誰が捕球するか迷いが見られ、結局サードの安田が落球した。

ツーアウト1.2塁となり、ロッテは投手を左腕の成田にスイッチ。

するとベイスターズは、知野の打順で代打・関根を送りこむ。ロッテ今岡監督、ベイスターズ万永監督、意地の張り合いだ。

左vs左の対決は、関根が強烈なライト前ヒットで2塁ランナーを生還させ、6-3と3点差に詰め寄る。

f:id:setosan1015:20190324192156p:image

(7回裏、代打起用の期待に応えた関根大気。画像引用=イレブンスポーツ)

ベイスターズファンの心に「勝てるんじゃないか?」と希望が湧く。

しかし、8回表。ロッテは先頭の安田がベイスターズの4番手・赤間からレフト前に弾き返して出塁すると、三家の犠打や代打・李杜軒の四球などでツーアウト1.3塁とする。

ここで赤間は山口をショートゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けた…かに思われたが、この回からショートの守備についていた大河が1塁に大暴投。

ロッテはまたも相手のミスで追加点をもらった。再び4点差である。

ロッテが逃げ切るのか?

いいや、スカスタ劇場は、このままでは終わらない。

中川大志の2ランで2点差 さらに満塁で大河

8回裏。ロッテは4番手の阿部が登板した。阿部は今年で高卒12年目。5月に30歳になる。

昨年は開幕一軍入りしたが、登板がないまま登録抹消。一軍では5試合の出場にとどまった。

右の中継ぎはライバルが多い。一軍入りのためには結果を出し続けるしかない。

ところが阿部は、先頭の乙坂を四球で出塁させてしまう。

先頭打者の出塁がことごとく点に結びつく試合展開である。不吉な予感がよぎる。

ワンアウトとなった後。

4番の中川大志に、レフトオーバーの豪快なツーランホームランを浴びた。

これで7-5。

ツーアウトから伊藤裕がヒットで出塁すると、青柳に四球。捕手の柿沼が何度もマウンドに行き阿部を激励するが、次の西森にも四球。ツーアウト満塁である。

バッターは、さきほど自分のエラーでロッテに7点目を献上してしまった大河。

場内の押せ押せムードが阿部のコントロールを狂わせているのが、フルカウントになる。

2塁ランナーが還れば同点。1塁ランナーが生還すれば逆転である。

しかし、大河は空振り三振。ミスを帳消しにすることはできなかった。

f:id:setosan1015:20190324191900p:image

(8回裏。阿部和成vs大河。ツーアウト満塁、フルカウントから空振り三振。画像引用=イレブンスポーツ)

大きなチャンスをものにできなかったことで、スカスタ劇場の盛り上がりもここまでかと思われた。

ところが。

永野将司vs飛雄馬 最後の最後まで全力勝負

9回裏、ロッテは5番手の永野が登板。永野は今月12日、自身のパニック症(広場恐怖症)を公表したばかりだが、16日の開幕戦からリリーフを任され、ファンの心配を吹き飛ばす好投を続けている。

簡単にツーアウトをとった永野は、神里を四球で出塁させる。

さきほどの打席でホームランを放った中川大志がレフト前ヒットで続く。ツーアウト1.2塁。

飛雄馬が打席に入ると、柿沼のパスボールで2塁ランナーが3塁に進んだ。

ここは「うっちゃりの横須賀」である。ベイスターズファンは何度も、劣勢からのサヨナラ勝ちを目にしてきた。

17日に28歳になった飛雄馬。社会人卒の8年目。一軍昇格のためには、ここで打つしかない。

永野はここで抑えれば2セーブ目。3試合連続でリリーフ成功となる。昨年はシーズン終盤で一軍入りしきっかけをつかんだ。後退するわけにはいかない。

飛雄馬が粘りまくり、スタジアムのボルテージは最高潮に達した。

飛雄馬、空振り三振。

約3時間の熱戦は2点差でロッテが逃げ切った。

勝ち続けつつ育成を

育成、調整重視の二軍戦とはいえ、勝利と敗戦では大きな開きがある。

横須賀まで乗り込んだロッテファンは気分が良いし、ベイスターズファンは、大逆転勝利に届かなかった悔しさが残る。

勝敗を分けたのは、ミスだった。

「野球は多くミスをしたチームが負ける」と言われる。

ベイスターズにとっては、失点した3イニングでミスが続出したのが痛かった。

一方でマリーンズも、4回と8回の失点は、先頭打者を四球で出すミスからのものだ。

活躍してアピールすることと同じくらい、ミスを極力減らすことが、二軍の選手には求められる。ミスを重ねているうちは、その選手は一軍に上がれない。

ベイスターズの伊藤裕は、オープン戦で走塁面のボーンヘッドがあり、二軍行きを言い渡された。

この日の伊藤裕は、前半はエラーや見逃し三振があったが、中盤以降は打撃で2安打した。悪い点と良い点が結果に出た。当然、悪い点を改善し、良い点を伸ばす育成が求められる。

両チームとも反省材料は多い。しかし、反省ばかりだと、雰囲気がどんよりしてしまう。

だからこそ、ファームの試合でも、勝ち負けにこだわる必要がある。

選手もファンも、ポジティブな気持ちで野球と向き合いたい。

野球で相手チームに勝利して獲得する笑顔は、格別のものである。