【相棒300回スペシャル】に「右京さんの最強の敵?」片山雛子が帰ってくる!!前回の記事では【相棒season3初回スペシャル「双頭の悪魔1」】で初登場し、清純派を装っていた「ひなちゃん」を紹介しました。
今回の記事では、その続編となった【相棒3第2話「双頭の悪魔2〜堕天使」】と【相棒3第3話「双頭の悪魔3完結編〜悪徳の連鎖」】で、次第に姿をあらわした「片山先生」の悪魔ぶりを振り返ります。
(右京さんに言い放つ片山雛子。怖い。画像引用・テレビ朝日、東映)
もっと木村佳乃を見たい!
2000年6月にスタートしたドラマ【相棒】が、2018年1月31日の放送で「300回」を迎えます。20世紀から続いている、すごすぎる番組です。
1月24日と31日の【相棒16・第13話、第14話】は「300回スペシャル」として、前後編のスペシャル版で放送されます。前編が299話、後編が300話目です。
300回SPには、津川雅彦さん演じる瀬戸内米蔵、木村佳乃さん演じる片山雛子、高橋惠子さん演じる尼僧の蓮妙が再登場します。
瀬戸内元法務大臣は4年ぶり。片山雛子元衆議院議員は2年ぶり。蓮妙は約13年ぶりです。
片山雛子の裏の顔
「双頭の悪魔」のドラマを最後から巻き戻してみると。
首相補佐官の沢村が自宅で変死した事件。片山雛子は、どうやら朱雀官房長官と加賀谷首相秘書官による共犯だと、最初から気がついていたフシがあります。
父の地盤を継いで与党の衆議院議員になった片山雛子は「双頭の悪魔」放送時点で28歳。
派閥政治を打開するために若手を結集した「平成未来派」のリーダーを務めるなど、野心的な政治手腕を発揮しています。
それが表の顔。
裏では、官房長官の朱雀と愛人関係を結んでいました。
内閣報償費。いわゆる機密費を、朱雀から横流ししてもらうために。このあたりはドラマではぼかされて表現されています。
右京さんからの追及。
「官房長官からあなたに多額の機密費が流れていたという疑惑もありますよ」
すました顔で言ってのける片山先生。
「官房長官にお訊きになったら?まあ、何もおっしゃらないと思いますよ。だって使い道を言わなくてもいいからこそ、機密費なんですから」
こんなふうに、彼女は自分に向けられた疑惑については煙に巻いてしまいます。
朱雀とのホテルでの密会は、沢村補佐官が変死を遂げた時間。片山雛子は朱雀に「アリバイ作り」のために利用されました。二人で密会したことにして、朱雀は抜け出して沢村を殺しに行きました。
ここで、片山雛子は部屋にマッサージを呼びました。自分の強固なアリバイを作ってしまったのです。
この件についても、片山雛子は右京さんに「官房長官の計画なんて知らなかった」と、ふてぶてしく言い放っています。
あなたが生きている限り私は。
ドラマで片山雛子の「悪魔の顔」が現れたのは3週連続放送の「双頭の悪魔」の2週目の終盤です。
自分の知らないところで、秘書の小松原が「片山先生を守りたい一心で」犯罪に手を染めたことを明かされた時。
この時の片山雛子の「これから私が言うのは独り言。聞くのは勝手よ」の、独り言を再現してみましょう。
「万が一、あなたが警察に捕まったとしたら、たとえあなたの一存だったとしても、私はとても傷つくわ。それがいちばん困る。あなたに警察に捕まってほしくない。でも、捕まらない保証はない。困ったわ」
そして。
(画像引用・テレビ朝日、東映)
「あなたが生きている限り、私はずっとハラハラしなきゃならないのね。生きてる限り、ずっと」
悪魔です。
小松原氏は、アワアワしながら覚悟を決めてしまいました。
他人を犠牲にする尊さ??
小松原氏の告別式の後、瀬戸内先生に料亭に呼ばれた片山先生は、冷酷に言い放ちます。
「私ね、先生。誰かのために命を犠牲にする人って尊いと思ってた。美しいと思ってた。でも全然違う。ただそういう役割の人なんですよ」
悪魔です。
「誰かの犠牲によって守られる人ほど、尊くて美しい」
(画像引用・テレビ朝日、東映)
怖すぎます。
他人が自分の犠牲になっても気にしないふてぶてしさ。したたかさ。
実家が寺である瀬戸内先生は、いくら幼少の頃から可愛がってきた「ひなちゃん」でも、この発言にはカチンときたようです。瀬戸内先生にとっては、小松原氏は片山雛子の父親が初当選した頃から、30年来の付き合いだから。
瀬戸内さんが説得しようとしても、それでも前に進むのが、悪魔と化した片山雛子。
後に瀬戸内さんの事務所に小松原氏の遺書が郵送されてきます。自分がしたことの一切が書かれていました。
「告発せずに、胸に納めておいていただけませんか?」と頼む雛子に「それはできねえ相談だな」と突っぱねる瀬戸内さん。
雛子はここでも言い放ちます。
「そうですね。先生は筋を通される方だから。あ。でも先生が筋を通されたら、小松原は無駄死にですね」
そして瀬戸内さんに、小松原氏の遺書を破かせてしまいました。
超絶悪魔です。
右京さんは彼女を裁けるか
【相棒9最終話「亡霊」】で、右京さんは片山雛子をこう評しました。
「彼女の周囲で不祥事や事件が起きるたびに、それを逆手にとり、すべてを自分の糧に変え、大きくなっていく」と。
もはや、機転がきく、というレベルではありません。それだけの頭脳を持ち得ているがゆえに、政治家としてのし上がることになる片山先生。
【相棒】に限らず、刑事ドラマや2時間サスペンスドラマには「民自党」という政党が、テレビ局の垣根を超えて、よく出てきます。悪い政治家の巣窟です。
大抵の人が、自分の権力やカネに執着して、悪いことをしています。
片山雛子の場合は、どうなのでしょうか。
右京さんの「人は犯した罪を法で裁かれなければならない」信条には抵触していないのかもしれません。していてもうまく隠しているのかもしれません。
右京さんは当然「法で裁けないものがある」ことを知っています。だから法の下の正義だけでなく「人の命は平等である」という「愛」を大切にしている人でもあります。
小松原氏の死に、右京さんは片山雛子への怒りの炎を灯したことでしょう。
あなたにはますます興味が
官房長官のアリバイ作りの証言を、あっさり否定した片山雛子。
「いつまでも難破船にしがみついているほどバカじゃない」と朱雀にささやきました。
このくだりでは、右京さんもさすがにびっくりして、ポカーンとしていました。
「あなたにはますます興味が湧いてきました」と苦笑する右京さんに、片山雛子は追い打ちをかけます。
「本当に私が朱雀の愛人だと思ってる?」
「はいー?」
「だとしたら、あなた大バカだわ」
振り向いて去っていく片山雛子。
杉下右京と片山雛子という【相棒】史上最大の対立軸が出現した瞬間でした。
最強の正義vs最強の悪魔
その後の【劇場版1】では、父親の不正を公表してイメージアップをはかり、内閣官房副長官まで上り詰めた片山先生は、さらなる権力掌握のために【相棒14元日スペシャル「英雄」】で音越官房長官の総裁選出馬を応援。
しかしここで音越の不正が発覚し、片山雛子も議員辞職を発表しました。
もう登場してくれないのではないかと心配していましたが、300回記念スペシャルでついに復活です。
最近は警視庁内部のゴタゴタが話の横軸になりつつある【相棒】。300回以降に、瀬戸内先生や片山雛子がいた「あの頃」がよみがえる内容を期待します。
右京さんと片山雛子の「最強の正義vs最強の悪魔」の戦いに決着は、まだついていないのですから!