【相棒】は、テレビ朝日系列で2000年から放送されている、21世紀を代表するテレビドラマシリーズです。
主人公は、水谷豊さん演じる杉下右京警部と、その相棒。初代の亀山薫から、神戸尊、甲斐享と続いて、現在は反町隆史さんの冠城亘が4代目。2人が所属するのは警視庁特命係です。
刑事ドラマゆえに硬派・社会派のストーリーが多い【相棒】ですが、ラブストーリーと言える作品も製作されています。大人の恋愛、夫婦の絆、片思いやすれ違い。犯罪が絡んでいるため、ほろ苦い結末になってしまいますが、さまざまな愛の形が繊細に描かれています。中には号泣必至の回も。
この記事では、【相棒】のラブストーリー回を5つ紹介します。
恋の行方だけでなく、事件の意外な真相にも注目です。
(画像引用=テレビ朝日・東映)
- 1.【相棒12第18話「待ちぼうけ」】2014年3月12日放送
- 2.【相棒7第15話「密愛」】2009年2月18日放送
- 3.【相棒15第15話「パスワード」】2017年2月15日放送
- 4.【相棒6第3話「蟷螂たちの幸福」】2007年11月7日放送
- 5.【相棒9第5話「運命の女性」】2010年11月24日放送
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1.【相棒12第18話「待ちぼうけ」】2014年3月12日放送
【どんな話?】
山奥の田舎駅。鄙びた駅舎で電車を待つ右京(水谷豊)。同じように一人電車を待つ男(太川陽介)に出会う。一方の享(成宮寛貴)は、何時間もカフェで粘る女性(芳本美代子)をナンパ…。どうやら二人はそろって非番のようだ。そのころ、捜査一課の伊丹(川原和久)と芹沢(山中崇史)は、前夜遺体で発見された津久井(伏見哲夫)という初老の男性の殺害事件の応援捜査にきていた。芹沢から特命係の二人がそろって休みと聞き、伊丹は邪魔されずに仕事がはかどる、とほくそ笑む。現場を鋭い目でじっくり観察しながら、珍しく冴えた推理を展開していく伊丹だが…。(引用=テレビ朝日)
号泣必至の感動回です。
右京さん、カイトくん、伊丹刑事達と3つの視点がが切り替わりながら展開していきますが、ストーリーの主役は太川陽介さんと芳本美代子さんが演じる男女です。
女にとって男は初恋の相手でした。10年間の交際の末、25年前の一緒にウェディングドレスを見に行く予定の日、彼は来ませんでした。電話で「君とは結婚できない」と言われました。
25年後に再び待ちぼうけを喰らっている女。今度は何があった?
脚本は【リーガル・ハイ】や【コンフィデンスマンJP】などの話題作を生み続ける古沢良太さんです。【相棒】で書かれる話も名作ばかり。その中でも「待ちぼうけ」は、刑事ドラマでもこんなに濃密なラブストーリーを描けるのかと驚く、異色の神回です。
右京さんとカイトくんは別の場所でそれぞれの力を発揮して、相棒としての信頼感を見せてくれます。
2.【相棒7第15話「密愛」】2009年2月18日放送
【どんな話?】
大学時代の恩師・悦子(岸惠子)に呼ばれ、彼女の山荘へとやってきた右京(水谷豊)。借金取りに追われ離れの小屋にかくまっていた榊(国広富之)が自殺したため、その身元を調べて欲しいと悦子から依頼されたからだ。しかし、右京は榊の死因は自殺ではなく他殺ではないかと言い始める。遺体を発見したとき小屋は密室状態だったのでそんなことはあり得ないという悦子に、自らの推理を語り始める右京。本当に殺されたのか? ならばその犯人は誰なのか!?(引用=テレビ朝日)
視聴者から【相棒】史上最高傑作に挙げられることも多い名作です。「密愛」も「待ちぼうけ」と同じく古沢良太さんの脚本回です。
古沢さんはヒロインの岸惠子さんのファンで、岸さんへのラブレターのつもりでプロットを書いたとか。
この回は亀山くんが卒業してから神戸くんが登場するまでの間の、右京さんひとり体制の頃の話です。
出演は水谷豊さん、岸惠子さん、国広富之さんのみ。右京さん以外のレギュラーは全員お休みです。伊丹刑事も鑑識の米沢さんも出てきません。【相棒】でしかできない刑事ドラマの常識破りです。
だからこそ成立した濃密なラブロマンス。
死んだ男は本当に自殺したのか。そうでなければ殺されたのか。だとすれば密室の謎は解けるのか。
右京さんの推理もキレッキレですが、この事件がなぜ起きたのか、動機となる愛の軌跡に魂を揺さぶられます!
3.【相棒15第15話「パスワード」】2017年2月15日放送
【どんな話?】
胃潰瘍で入院した幸子(鈴木杏樹)の見舞いで病院を訪れた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、思いがけず病室で伊丹(川原和久)たち捜査一課と出くわす。聞けば、小松崎(小林且弥)というヘルパーが刺殺された事件に関して、腕を負傷して入院中の真奈美(橋本真実)という盲目の女性に事情を聞きに来たらしい。真奈美は訪問介護サービスを利用する際、度々小松崎を指名していたという。捜査に乗り出した右京と亘は、被害者である小松崎にも不審な点があったことを知り、部屋を捜索。すると亘が、部屋に置いてあった手作りの香水と、同じ香りをさせていた人物がいたことに思い当たる。(引用=テレビ朝日)
ゲスト主人公は橋本真美さんが演じる盲目の女性・真奈美。訪問看護で真奈美の部屋を訪れていた職員が殺害されたため、疑惑をかけられていました。
真奈美のアリバイを確認しようとする伊丹刑事に憤るのは、真奈美と交際している吉田という男。
2人は仲睦まじいところを右京さんと冠城くんに見せます。
この辺りがラブストーリーの布石。
「パスワード」は、展開を追っているうちは恋愛要素は強くないのですが、ラストのどんでん返しで伏線が回収されると、なんて切ないラブストーリーなんだと、印象がガラッと変わります。
あの人がああいうことをしていたのは、こんな心境の変化があったからなんだ…でもこういう結末になってしまったなんて、哀れすぎる!
どうにもならない恋の行方に、涙を誘われます。
4.【相棒6第3話「蟷螂たちの幸福」】2007年11月7日放送
【どんな話?】
人気ミステリ作家・蓬城静流(荻野目慶子)の夫・田橋(江藤潤)の遺体が発見された。遺書が残されており自殺と見られたが、拳銃に不自然な細工があったこと、クッションと百科事典が一冊現場から消えていたことなどから、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は他殺の可能性を探り始める。夫の自殺にもなぜか冷静な静流。最近では新作も発表されず、スランプという噂も流れていたとか。田橋の妹の話では、静流は田橋を小間使いのようにこき使っており、夫婦仲も良くなかったとか。(引用=テレビ朝日)
この回は冒頭で夫が静流に銃口を向けているシーンがあります。
しかし死んでいたのは夫。いったい何があったのでしょうか。
「蟷螂たちの幸福」の「蟷螂」は「とうろう」と読みます。「カマキリ」の漢名です。人気ミステリ作家の蓬城静流と死んだ夫は陰で「カマキリの夫婦」と呼ばれていました。
体の大きなカマキリのメスが、交尾の後、用済みになった小さなオスを食べてしまう…
夫の妹は「兄はあの女に喰い殺された」とまで言っていました。
その裏に隠された真相とは…。
終わってみれば究極のラブストーリーです。
劇中で流れるビゼー作のオペラ「真珠採り」も印象的で、味わい深い作品になっています。
5.【相棒9第5話「運命の女性」】2010年11月24日放送
【どんな話?】
惚れっぽい陣川(原田龍二)がひょんなことから知り合った奈緒(京野ことみ)と食事をしていたところ、空き巣に入られてしまった。犯人は鍵を使って部屋に入ったようだが、右京(水谷豊)は陣川が「落とした」という鍵は何者かが空き巣目的で盗んだのではないか、と推理。しかも陣川は前日に駅前に結婚式の引き出物袋を置き忘れていた。(引用=TELASA)
【相棒】シリーズで欠かせないキャラクターといえば原田龍二さんが演じる陣川公平警部補です。
事件の捜査に首をつっこんで、惚れた女を守ろうと勝手に突き進み、右京さんたちに助けてもらって事件を解決するものの、恋は叶わず…という愛すべきお約束。
陣川さんの一方的な恋の話はラブストーリーの定義には入らないかも知れません。しかし、陣川さんの片思いの歴史で、もしかしたら両想いになったかもしれない話もあります。それが「運命の女性」です。
京野ことみさんが演じるこの回のマドンナ・奈緒は、最初は陣川さんを利用しまくっていましたが、奈緒を運命の人だと思い込む陣川さんの一途さに、少しずつ気持ちが変わっていたような…
後半では奈緒が陣川さんのために無茶な行動をとってしまいます。
終盤の奈緒のセリフの数々が、素直なのか素直じゃないのか読めなくて、めちゃくちゃもどかしい!
全体的なストーリーはコメディタッチのシーンが多いので、肩の力を抜いて楽しめます。陣川回の名作です。
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刑事ドラマ【相棒】の中でも異色のラブストーリーをピックアップして紹介しました。事件に絡む話ですから、ほろ苦い結末が待っていますが、それぞれの愛の形が胸にぐっときます。
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