光る風の少年はどこへ

2020年はドラマ「相棒」関連の記事が中心です。タイトルは「相棒」のシーズン1に登場した絵画「光る風の少年」から。

【相棒18-8.9「檻の中」】ネタバレあり感想!テロ、復讐、告発…放送終了後の報ステに驚愕!

【相棒】は、テレビ朝日・東映の制作で放送されている21世紀を代表するテレビドラマシリーズです。


主人公は、水谷豊さん演じる杉下右京警部とその相棒。現在の相棒は反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)です。たった2人の警視庁特命係が難事件を解決します。

 

2019年10月からは18シーズン目がスタート。冠城亘は【相棒14】での登場以来、5シーズン目となりました。

 

この記事では、科学者の開発が軍事テロに利用されてしまったことから起こる人間ドラマを描いた前後編スペシャル【相棒18第8話「檻の中〜陰謀」】と【相棒18第9話「檻の中〜告発」】のネタバレを含めた感想などをまとめています。

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主な出演者・スタッフ

【相棒18第8話「檻の中〜陰謀」】

2019年12月4日放送

【相棒18第9話「檻の中〜告発」】

2019年12月11日放送

出演

杉下右京=水谷豊=警視庁特命係係長。警部。

冠城亘=反町隆史=警視庁特命係。巡査。

伊丹憲一=川原和久=警視庁刑事部捜査一課。巡査部長。

芹沢慶二=山中崇史=警視庁刑事部捜査一課。巡査部長。

角田六郎=山西惇=警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策五課長。警視。

青木年男=浅利陽介=警視庁サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官。

益子桑栄=田中隆三=警視庁刑事部鑑識課。巡査部長。

内村完爾=片桐竜次=警視庁刑事部長。警視長。

中園照生=小野了=警視庁刑事部参事官。警視正。

皆藤武雄=中村育二

桝本修一=山崎樹範

高瀬佳奈恵=中村優子

桂川宗佐=村上新吾

ほか

スタッフ

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真道

脚本=神森万里江

音楽=池頼広

監督=権野元

ほか

どんな話?

【相棒18第8話「檻の中〜陰謀」】

研究費の横領容疑で逮捕された大学教授・皆藤(中村育二)の保釈金3000万円が奪われる事件が発生。襲撃された准教授の佳奈恵(中村優子)によると、犯人はテーザー銃(遠距離対応型スタンガン)を使う3人組の男だったという。事件を耳にした右京(水谷豊)は捜査二課時代に皆藤と面識があり、研究に並々ならぬ信念を持っていた皆藤が横領を犯したこと、さらに保釈を過度に急いでいることに疑念を抱き、真相の究明に乗り出す。いっぽう、亘(反町隆史)は、旧友で週刊誌記者の桝本(山崎樹範)から、皆藤の事件の情報がほしいと相談を受けていた。図らずも、皆藤をめぐる事件にかかわることになった右京と亘が捜査を進めると、皆藤の研究室の周辺で、転落事故やストーカー被害など不穏な出来事が相次いでいることが分かり…。(引用=テレビ朝日)

【相棒18第9話「檻の中〜告発」】

遠隔操作技術の第一人者である大学教授の皆藤(中村育二)は、横領の罪で逮捕されていたが、それは研究の乗っ取りを目論む准教授・佳奈恵(中村優子)がでっち上げた冤罪であることが判明。3000万円の保釈金も戻り、皆藤の保釈も決定的になった。亘(反町隆史)は、旧友で週刊誌記者の桝本(山崎樹範)が、皆藤の保釈を受けて、何か事を起こすのではないかと危惧していたが、本人を問い詰めても軽くかわされてしまう。いっぽう、右京(水谷豊)は、佳奈恵が皆藤を陥れた巧妙な手口を解明したものの、なぜ彼女が危険な橋を渡ってまで皆藤を檻の中に閉じ込めようとしたのか、動機が掴めずにいた。そして、いよいよ皆藤が保釈される。右京と亘が今回の事件の背景にまだ見えていない何かがあると感じ捜査を続ける中、ついに皆藤の恐るべき“復讐計画”が動き始める…。(引用=テレビ朝日)

その後どうなった?(完全ネタバレ)

東亜ダイナミクスの桂川ととライフケアテクノロジーの三島は、皆藤のドローン研究技術を軍事ビジネスに転用していた。

 

そのドローン兵器がサルウィンという国のテロ組織に渡り、テロにより日本人3名を含む9名が死亡した。

 

テロで妻を亡くした桝本が、ドローン開発者の皆藤を殺そうとするが、皆藤は自分の技術が使われた事実を知らず、真実を知りたいと話す。

 

桝本は皆藤や佳奈恵と組んで週刊誌に告発記事を出そうとするが、ライフケアテクノロジーの阻止により記事は差し替えられてしまう。

 

その後も桂川らは、雇った男を使って研究室の人間を次々と襲い、皆藤たちの企みを阻もうとする。

 

桝本と皆藤は、テロ事件の慰霊式典の日に皆藤が開発したドローンでテロを起こし、死をもって事実を告発しようと計画していた。

 

佳奈恵は別れた皆藤に気持ちが残っていて、皆藤の死をどうしても阻止したくて、横領事件をでっち上げ、皆藤に罪を着せて、拘置所に閉じ込めてしまおうと考えた。

 

佳奈恵は研究室のロボットと鏡を使って皆藤のPCのパスワードを知り、経理の数字を改ざんしておいて、匿名で大学事務局に告発文を送り、皆藤を逮捕させた。

 

拘留されていた皆藤は、冤罪のため否認していたが一転して罪を認めて、保釈金を払って計画実行の日までに釈放されるよう仕向けた。

 

皆藤を拘留させておきたい佳奈恵は、強盗犯グループの谷口らを誘って保釈金強盗を起こし、保釈金が払えないようにして、皆藤を外に出さなかった。

 

佳奈恵は奪った金を強盗犯グループに渡さず独り占めしたため、谷口らに襲撃されて重傷を負った。

 

犯人が佳奈恵らだとわかり、皆藤は保釈された。

 

慰霊式典の会場で挨拶を中断した桝本はドローンを飛ばして、動画生配信を開始した。

 

皆藤が真相を話す姿が配信される中、桝本が遠隔操作して研究室に届いたドローンで皆藤が死ぬ計画だった。

 

桝本がスマホの起爆スイッチを押す寸前で冠城くんが間に合い、ドローンは爆発しなかった。

感想など(ネタバレ)

研究者が開発したドローン技術が軍事に転用され、テロ組織に流れたことで悲惨な事件が起きました。この事件に関わる人々の人生が狂っていきます。

桂川宗佐の再登場

前後編スペシャルとなった「檻の中」では、主要ゲストがすべて何らかの悪に手を染める、重い話になりました。

 

皆藤教授の研究を軍事転用しようと企んだ桂川宗佐(かつらがわそうすけ)は、わかりやすい悪でした。「檻の中」の事件の元凶は桂川の武器輸出ビジネスです。

 

桂川は【相棒18】の第1話で初登場し、洞爺湖で行われた防衛技術振興協会などが関わるフォーラムに、片山雛子を招待していました。

 

桂川にてっては、自身の武器輸出ビジネスがテログループに利用され、日本人の死者が出てしまったとあっては、事件との関わりが明らかにされれば、今後の風向きが悪くなります。

 

何としても隠したい事実でした。

テロで妻を失って

ドローンによるテロ事件で妻を失った桝本は、ドローンを開発した皆藤への復讐を実行しようとしました。

 

しかし、桝本の話を聞いた皆藤が軍事転用の事実を知らず、真実を知った上で告白すると約束したことで、桝本の復讐の相手が変わりました。

 

不条理に大切な人の命が奪われてしまった桝本が憎悪に満ちるのは、充分に理解できます。

 

だからといって人を殺して復讐するのは間違っています。

 

桝本の良心は皆藤の命を奪いませんでした。

 

皆藤や佳奈恵と組んで、テロ事件裏に隠された真相を暴露しようとしました。素晴らしい発想の転換です。

 

しかし、その方法はテロ行為であり、桝本には真相を告発した後に自分も死ぬという決意がありました。

 

それも間違っています。

冠城くんが間に合った

テロで死んだ妻は、傷を負った人たちを救う活動をしていました。命を大切にする仕事でした。紛争地帯に身を置く人間として、自分が最悪の事態に巻き込まれることも覚悟していたでしょう。

 

復讐の愚かさと戦う妻の意志を桝本が本当に理解できていたなら、テロ行為などできないはずです。

 

桝本は、起爆のスイッチを押す寸前で、幼なじみの冠城くんに阻止されました。

 

冠城くんが間に合う世界と、間に合わない世界。

 

間に合わなかった世界が実現しないことをいちばん望んでいなかったのは、桝本なのかもしれません。

 

止めてほしかったんだよね。

研究者の贖罪

自分の研究に没頭していた皆藤は、自分が開発したドローン技術が軍事に転用されていた事など知る由もありませんでした。

 

自分の技術が人を殺してしまった…

 

知らなかったでは済まされない事態です。

 

真実を知った皆藤は、すべてを話し自分がドローンで爆死することで、国や東亜ダイナミクスが隠している事実を告発しようとしました。

 

それが皆藤の贖罪でした。

 

皆藤は「技術は人を幸せにする」ことを信念にしていました。

 

右京さんは、その信念が導く未来を人に見せ続けることが、科学者としての責務ではないかと、皆藤を諭しました。

 

自分の命を絶つよりも大切なことがあります。

 

皆藤にどうしても死んでほしくなかった人物もいました。

 

その佳奈恵の気持ちが、届かなかったのか、届かないフリをしていたのか。

 

大切な人を守るための犯罪

佳奈恵は、かつて皆藤と恋愛関係にありました。

 

その関係は終わり、皆藤は佳奈恵を優秀な研究者と見て、ともに研究を続けることにしました。

 

別れたものの、佳奈恵の皆藤に対する気持ちは潰えてはいませんでした。

 

桝本と皆藤による告発の計画を知った佳奈恵は、最初は仲間に加わりましたが、皆藤が計画の実行とともに死ぬ気であることに気がついて、裏切ることにしました。

 

自分が正面から止めても、皆藤は意志を曲げないから。

 

佳奈恵は暴走してしまいます。

 

自分が凶悪な犯罪に手を染め、皆藤に罪をなすりつけることで、拘束された皆藤が命を絶てないように工作しました。

 

ずっと恋心を抱いてきた人物に、いなくならないでほしいと切に願う気持ちは理解できます。その気持ちが暴走してしまったのは、自然な流れなのか、狂気なのか。

 

つらかったね。気持ちは分かるよ。でも、皆藤を止める手段は他にあったよね。

 

本人がいちばんわかってるよね。

冠城「戦争は人の命を数字に変えてしまう」

金銭欲、野心、保身、復讐、贖罪、愛情など、登場人物の思惑が複雑に交錯したストーリーとなりました。

 

その元凶は、桂川が皆藤の研究を軍事転用に導いたことです。

 

戦争や紛争、テロは終息が見えません。日本国民の意識が低いのもその通りです。

 

武器との関わり方を積極的なものに改めるべきという桂川の理念が、一概に悪だとは言いきれません。攻撃される危険がある以上、守る備えは軽視できません。

 

それでも、命を奪い合う行為が悲しい結果しか生まないことを、我々は知っています。

 

冠城くんは「戦争は人の命を数字に変えてしまう」と言いました。桂川は、亡くなったのは「3人」と表現しましたが、冠城くんは、3人の氏名を桂川に叩き付けて、ひとつの命の大切さを訴えました。

どうすればよかったのか

命の重さや平等さに思いを馳せれば、戦争やテロの愚かさに至り、復讐行為も正当化できるとは言えないと、たどり着きます。

 

私利私欲が他者の人生を狂わせてしまったこと。狂わされた人が間違った選択をしてしまったこと。

 

復讐心に同情はできます。そこでとどまれるかどうかが、別れ目でした。

 

復讐を止めるための犯罪についても同じ。それは良識の暴走です。

 

もし自分が桝本の立場になったら。

もし自分が皆藤の立場になったら。

もし自分が佳奈恵の立場になったら。

 

冷静な判断などできなくなってしまうかもしれません。自分に都合のよい正義や正論に頼ってしまうかもしれません。でも。

 

【相棒】は、本当に正しい道はどこなのかを考えるヒントを与えてくれます。

 

今回はテロで日本人3名を含む命が奪われました。失ってから気づく大切さ。

 

命があることの大切さについて、改めて考えてみようと思います。

放送直後の『報道ステーション』で衝撃が

前編となる「檻の中〜陰謀」が2019年12月4日の午後9時から9時54分まで放送された後、直後の9時54分から始まった『報道ステーション』のトップニュースは、アフガニスタンで医療活動をしていた日本人医師が武装勢力に殺害されたという事件でした。

 

これはさすがにびっくりしました。

 

【相棒】の世界で起きた悲しい事件とよく似た事件ががリアルで起きて、タイムリーに報道されてしまいました。

 

亡くなった医師がどんな気持ちでアフガニスタンに滞在していたかをしばし想像したのは、間違いなく「檻の中〜告発」を視聴した影響です。

 

シャレにならないというか。

 

怖くなりました。

声に出して読みたい右京さんのセリフ

「いいですか。すべての戦争が血を流す覚悟から始まっています。血を流さなければ平和は実現しないと思い込んでいる人たちがテロや戦争を始めるんです。そして、より強力で効率のいい武器を手に入れようとする。そしてあなた方科学者の技術が使われる。科学者の責務とおっしゃいましたね。本来それは『技術は人を幸福にする』という信念が導く未来を人々に見せ続けることではありませんか! それこそが科学者としての責務ではありませんか! あなた自身が信念に負けて、ここであきらめてどうするんですか!」

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【相棒】はテレビの再放送や、ネットの動画配信サービス、DVD、Blu-rayなどで視聴できます。 


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