約20年間にわたり刑事ドラマの最先端を走り続ける【相棒】。
その魅力はなんと言っても水谷豊さんが演じる杉下右京警部です。ある時は血も涙もないロボットのような正義感で犯人を追いつめ、ある時はあふれる人間愛で懸命に生きる人々を守ります。
右京さんはドラマの中で数々の名セリフを残しています。この記事では2019年秋から2020年春にかけて放送された【相棒18】の各話から、思わず声に出して読みたくなる右京さんのセリフを12本、紹介します。11と12は掛け合いセリフでお楽しみください。
ストーリー終盤で犯人に対して語るセリフが多く含まれているため、ネタバレ注意となります。
- 1.連続殺人鬼と化した娘が父親に殺害されてしまう結末に
- 2.母親に復讐しようとした小学生の女の子に
- 3.弱者からお金を搾取していた女に
- 4.社会への不公平感から犯罪に加担してしまった男に
- 5.自分の技術が戦争に利用されてしまった科学者に
- 6.身勝手にストーカー行為を続ける若い警察官に
- 7.部下を「雑草だ」と罵る悪の組織の元締めに
- 8.右京さんにパパになってほしいという男の子に
- 9.連続殺人鬼と化したかつての相棒に
- 10.共犯者となった少女を更生させられなかった窃盗犯に
- 11.右京さんと冠城くんが言い争い!?
- 12.「何がしたい?」と質問する内閣官房長官に対して
- ぜひ声に出して読んでみて!
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1.連続殺人鬼と化した娘が父親に殺害されてしまう結末に
【第2話「アレスの進撃〜最終決戦」】
2話連続スペシャルは、連続殺人鬼と化した娘が父親に殺害されてしまう衝撃のラストに。娘の遺体を前にして…
「申し訳ないことをしましたね。お父さんの目論見を読み切れず。こんな結果を招いてしまったことは痛恨の極みです。確かにあなたは大罪を犯しました。しかし、生きて裁かれ、場合によっては生きて罪を償う機会もあなたにはあったはず。その機会をボンクラな僕は守り切れませんでした。みすみすお父さんの勝手にさせてしまった。悔やんでも悔やみきれない」
右京さんの静かな語り口調に、悔しさがにじみ出ています。
2.母親に復讐しようとした小学生の女の子に
【第3話「少女」】
妹が母に殺害されたと思いこみ復讐として自分が死ぬことを企てていた小学生の女の子に。
「明菜ちゃん。もう自分を許してあげなさい。妹さんの命を守れなかったのは君のせいじゃありませんよ。たとえどんなに苦しくても自分から死ぬのは間違っています。妹さんは限りある命を一生懸命生きました。ですから君も生きてください。妹さんの分もね。生きてください…」
しゃがんで少女と同じ目線を保ち、やさしく話しかける右京さん。女の子はきっと命を大切にして生きていくはず!
3.弱者からお金を搾取していた女に
【第6話「右京の目」】
身勝手な真犯人に激昴!
「ではお聞きしますが、あなたの仕事は何ですか? 病気や家族の問題で働けなくなった人たちを支え、救うことじゃありませんか。あなたは自らの欲望のために救われるべき人を利用してきたんですよ…そんなことが許されるわけないじゃありませんか!」
弱い立場の人からお金を搾取していた女に、右京さんの怒りが爆発しました。このストーリーでは右京さんが視力を失い、苦労を味わったこともあり、弱者を貶める行為に感情が昂りました。
4.社会への不公平感から犯罪に加担してしまった男に
【第7話「ご縁」】
社会への不公平感から犯罪に手を貸してしまった初老の男を説得して、更生を促す右京さん。
「あなたは家族を守るために必死で働き、そしてその家族を失い、追い詰められて過ちをおかしてしまいました。それは決して許されることではありません。ですが、我々は一生懸命、汗水流して生きてきた人生をあなたに捨てて欲しくないと思っています。確かに世の中は不公平かもしれません。ですが、それを乗り越えることができれば、もう不公平ではありませんからね」
男は犯罪に手を染めてしまったけれど、根は善良な人物。右京さんは彼に罪を償ってやり直してほしいと丁寧に説きました。
5.自分の技術が戦争に利用されてしまった科学者に
【第9話「檻の中〜告発」】
自分が開発したドローン技術がテロ組織に使われてしまった贖罪で死のうとする大学教授に。
「いいですか。すべての戦争が血を流す覚悟から始まっています。血を流さなければ平和は実現しないと思い込んでいる人たちがテロや戦争を始めるんです。そして、より強力で効率のいい武器を手に入れようとする。そしてあなたがた科学者の技術が使われる。科学者の責務とおっしゃいましたね。本来それは『技術は人を幸福にする』という信念が導く未来を人々に見せ続けることではありませんか! それこそが科学者としての責務ではありませんか! あなた自身が信念に負けて、ここであきらめてどうするんですか!」
苦しむ教授の心情を察した上で、それでも強く生きてほしいと願う右京さん。
6.身勝手にストーカー行為を続ける若い警察官に
【第10話「杉下右京の秘密」】
度を越したストーカー行為を続けて、バレても言い訳を並べる若手警察官に。
「もう結構! 幼い命が何度も危険にさらされたんですよ。そんなくだらない言い訳など何の役にも立ちませんよ。警察官の仕事は何なのかも分かっていない。真面目に勤めている全国の警察官の信頼まで裏切っておいて…恥を知りなさい!」
人の安全を守るはずの警察官がストーカー行為で女性に危害を加えていたのですから、右京さんがブチギレるのも無理はありません。
7.部下を「雑草だ」と罵る悪の組織の元締めに
【第10話「杉下右京の秘密」】
金塊密輸グループの手下を「雑草だ」という元締めの花屋の店主に
「いい加減にしなさい! 彼らが雑草なら、あなたはその雑草につく害虫ですよ。本来なら今すぐ駆除してやりたいくらいです」
密輸グループの元締めによる罵詈雑言に我慢できなくなった右京さん。今シーズン最高級の激怒で「いい加減にしなさい!」と叫んでいました。
8.右京さんにパパになってほしいという男の子に
【第10話「杉下右京の秘密」】
「刑事さんがパパになってくれたらな」という小学生の男の子に
「裕太くん、残念ながら、ぼくはパパにはなれません。ですから、これからは君がママを守るんですよ。ママが大変な時は君が支えてあげてくださいね。ただ、困ったことがあったら、いつでも連絡をください。すぐに駆けつけますからね」
小学生の父親役をして、女性と子供を守っていた右京さんですが、いつまでも一緒にいられるわけではありません。犯人逮捕を受けて、小学生の男の子に、これからは君が大切な人を守ってあげてと勇気を託しました。
9.連続殺人鬼と化したかつての相棒に
【第15話「善悪の彼岸〜深淵」】
情動失禁という病により連続殺人鬼へと変貌してしまった元相棒・南井十(伊武雅刀さん)に対して。
「かつてのあなたは、優れた分析力を持ち、人間の深淵をも理解し…もう、言葉もありません。あなたの罪は決して許されるものではありません。ただ…(南井を抱きしめて)僕もあなたのことを忘れないでしょう…」
右京さんの表情には哀しみが満ちていたような…
10.共犯者となった少女を更生させられなかった窃盗犯に
【第16話「けむり」】
連続窃盗犯「けむり」こと佐田は、少女に犯行を目撃されてしまいました。しかしその少女は佐田とともに「けむり」となり、何年も犯行を繰り返します。右京さんは、逮捕された佐田に取調室で…
「あなたは、間違っています。たとえどんな理由があっても、どんなお金でも、人の物を盗むのは犯罪ですよ。それに、あなたのやるべきことは、彼女の罪をかぶることではありません。ご両親を亡くした理沙さんにとって、あなたは父親のような存在だったのだと思いますよ…ですから、これからは父親として、理沙さんのために正しいことをしてあげてください」
右京さんの願いは叶うのでしょうか。
11.右京さんと冠城くんが言い争い!?
【第15話「善悪の彼岸〜深淵」】
特命係の部屋で、冠城くんに「特命係をやめてもらえますか」と言う右京さんと、言われた冠城くん。お互いが相棒を思いやる主張をしますが、しだいに言い争いになっていきます。
右京「君が特命係をやめれば、南井のシナリオから外れることになります。そうすれば標的を変更するかもしれません」
冠城「むしろ好都合じゃないですか。南井の居場所が分からない以上、向こうから近づいてくるなら」
右京「冠城くん、わかっていますよね。相手は拳銃を持っています。何かあってからでは遅いんですよ!」
冠城「右京さんこそわかってるんですか! 特命係をやめることは負けを認めてるようなもんです」
右京「勝ち負けの問題ではありません」
冠城「法と犯罪の問題だと言ってるんです! あれだけの数を殺してる人間に俺たち警察官が屈したら、正義なんかどこにもないことになるじゃないですか! 」
右京「…でしたら、ひとつだけ、条件があります」
冠城「条件?」
右京「ここを出ないでください」
冠城「だけどそれじゃあ…」
右京「(絶叫に近い形で)いいですね!」
ここから別行動…
12.「何がしたい?」と質問する内閣官房長官に対して
【第20話「ディープフェイク・エクスペリメント」】
内閣官房長官室にて事件の黒幕である鶴田官房長官と。
鶴田「何がしたい? 権限もなく、上に逆らって捜査をして、いったい何の意味があるってんだ」
右京「意味?」
鶴田「犯人を捕まえる快感でも味わいたいのか」
右京「究極的には、真相を知るためでしょうかね。ですから、犯人検挙は、それに伴う結果にすぎません。快感などとは無縁です」
鶴田「ならば、犯人が捕まえられずとも、真相がわかれば一定の満足は得られるということかな?」
右京「いいえ、それではダメですね。まったく不満です」
鶴田「どうして」
右京「犯人に罪を償う機会を与えられませんから」
右京さんの目的は真実を知ること。その過程にある犯人の検挙は、犯人に罪を贖う機会与えるために大切。基本理念が明快に語られました。
ぜひ声に出して読んでみて!
【相棒18】における、心に残る右京さんのセリフを紹介しました。
根っからの悪人に激昴し、善良に生きる人々を守り、あるいは衝撃の結末に気を落とすこともあった【相棒18】での右京さん。
右京さんの正義感と人間愛から紡ぎだされる語りは、私たちに「生きるとはどういうことか?」を問いかけ、そのヒントを与えてくれます。
右京さんの気持ちになって、ちょっと右京さんのマネをしながらセリフを声に出して読んでみるのも、楽しいものですよ。機会があれば、上記のセリフをぜひ口に出して読んでみてください。
【相棒19】以降のストーリーでは、右京さんからどんな含蓄のあるセリフが語られるのか、楽しみです!
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