2020年の放送開始以来、刑事ドラマの最先端を走り続ける【相棒】。
【相棒19】は新レギュラーに「こてまり」こと小出茉梨(こいでまり=森口瑤子さん)を迎え、水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)がたった2人の特命係として事件を解決に導きます。
この記事では2020年10月14日に放送された【相棒19初回拡大スペシャル「プレゼンス」】のネタバレを含めた感想などを記述しています。
(画像引用=テレビ朝日)
どんな話?
【相棒19第1話・初回拡大スペシャル「プレゼンス」】
2020年10月14日放送
【どんな話?】超ざっくりバージョン
白バイ隊員の麗音(篠原ゆき子)が何者かに拳銃で撃たれる。特命係の右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が話を聞こうとするが、麗音は上司から特命係と関わらないよう命じられ、口を閉ざすばかり。
やがて麗音の事件の裏に、IT長者・加西(石丸幹二)を「建国の父」とする仮想国家の存在が見え隠れしてくる。
(引用=おとなのデジタルTVナビ)
(画像引用=テレビ朝日)
もっと詳しいあらすじは…
【どんな話?】詳細バージョン
閑静な住宅街で、警視庁交通機動隊=白バイ隊員の出雲麗音(篠原ゆき子)が何者かに拳銃で撃たれる。
懸命な手術の結果、一命はとりとめたもののバイクで転倒した際に右肘を複雑骨折しており、交通機動隊への復帰は不可能と宣告される。そんな麗音のもとへ、特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)がやってくる。
至近距離から銃撃を受けたとき人の気配はなかったのか、と当時の状況を聞き出そうとする右京たちだったが、麗音はかたくなに口を閉ざす。どうやら交通機動隊の上司から「特命係には話すな」と命じられたようで…。
季節は変わり、秋。
麗音が捜査一課に配属されてくる。
異例の人事にざわつく捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)ら。同時に「週刊フォトス」に広報課長・社美彌子(仲間由紀恵)を中心とした警視庁の女子軍団「KGB(警視庁ガールズボム)」の会合の様子が掲載され、右京らは麗音の捜査一課配属が美彌子の強い働きかけと、警視庁副総監・衣笠藤治(杉本哲太)の鶴の一声によるものであることを知る。
実は美彌子は人事に対する口利きの代わりに、特命係に麗音の容疑者の割り出しをさせる、と衣笠に約束。
自分たちになんの相談もなく交渉材料に使われたことに不満を示す右京だったが、さっそく彼女をともない、捜査を開始する。
その矢先、ビルの壁面をボルダリングのようによじ登っていた男が、大勢のギャラリーと警察官の面前で転落し、死亡。
組織犯罪対策五課・角田六郎課長(山西惇)の調べで、その男・万津幸矢(櫻井圭佑)が広域指定暴力団『扶桑武蔵桜』の組員相手に「俺が白バイ警官を撃った」とうそぶいていたことがわかる。さらに幸矢の遺品を整理していた母親の蒔子(松永玲子)は、パソコンの中に「ネオ・ジパング」という《仮想国家》を発見し、幸矢の恋人・朱音静(日南響子)に相談を…
やがて事件はIT長者・加西周明を「建国の父」とした仮想国家「ネオ・ジパング」を巡り、思いもよらぬ方向へと展開していく!(引用=テレビ朝日)
(画像引用=テレビ朝日)
主な出演者・スタッフ
出演者
杉下右京=水谷豊
冠城亘=反町隆史
小出茉梨=森口瑤子
伊丹憲一=川原和久
芹沢慶二=山中崇史
角田六郎=山西惇
青木年男=浅利陽介
益子桑栄=田中隆三
土師太=松嶋亮太
大河内春樹=神保悟志
風間楓子=芦名星
内村完爾=片桐竜次
中園照生=小野了
☆
加西周明=石丸幹二
出雲麗音=篠原ゆき子
朱音静=日南響子
万津蒔子=松永玲子
桑田圓丈=大石吾朗
鬼丸=三国一夫
虎太郎=田中俊介
万津幸矢=櫻井圭佑
尾沢健志=川村進
☆
衣笠藤治=杉本哲太
社美彌子=仲間由紀恵
甲斐峯秋=石坂浩二
ほか
スタッフ
エグゼクティブプロデューサー=桑田潔
チーフプロデューサー=佐藤涼一
プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
脚本=輿水泰弘
音楽=池頼広
監督=橋本一
ほか
その後どうなった?(ネタバレ注意)
幸矢は静にティッシュ箱くらいの大きさの箱を託していた。蒔子が開けると、拳銃が入っていた。
蒔子は伊丹に拳銃を提出し、蒔子と静は銃刀法違反で逮捕される。鑑識課の益子の調べで、拳銃は麗音を銃撃した物と判明した。
加西周明は右京と亘をネオ・ジパングの国内に招待し、2人はゴーグルをつけてVRを体験する。仮想世界で右京たちは袴姿で歩いたり走ったり。街には花売り娘の恰好をした楓子もいた。
楓子によると、ネオ・ジパングでは絶対君主のIZANA(イザナ)が、虚栄の市で年に何度か土地付き一軒家や金塊、宝石などの超高級品をバカ安な値段で売っていて、それらはリアル世界で使えるものだという。
白バイ銃撃事件の真相は何なのか。ネオ・ジパングとの関係は?
次回へ続く!
☆桑田は暴力団の組長、鬼丸と虎太郎はその構成員。幸矢がうそぶいた相手は虎太郎。桑田はが情報を流した相手は内村刑事部長だった。内村は「この関係が知れたら1発で懲戒免職だよ」と桑田に話した。
☆尾沢は麗音の白バイ隊員当時の上司。
番組の最後に、9月14日に亡くなった芦名星さん(風間楓子役)の出演シーンと追悼メッセージが流れました。
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感想など
万津幸矢が仮想世界に身を投じていたことについて、母親の蒔子は現実逃避癖ゆえの行動ではないかと話していました。VRの世界は、リアルを生きる人々にとってどれほどの影響力(=プレゼンス)があるのでしょうか。
VRとは?
「VR」とは「バーチャル・リアリティ」の略称で、日本語では「仮想現実」などと訳されています。
コンピュータで作られた仮想的な世界を、現実世界のように体感できる技術です。
今回の話では、現実世界から仮想世界への移動は「ヘッドマウントディスプレー」と呼ばれる、ゴーグルのようなものを頭部に装着することで可能になっていました。
【相棒18】の最終回では「ディープフェイク」と呼ばれる、AIによる動画改変技術が題材になっていましたが、【相棒19】の初回も現代社会の最先端を取り入れた物語となりました。
主演の水谷豊さんが語る【相棒】の魅力は「今」の1文字に集約されます。時代背景にいつも今が描かれていて、では【相棒】は今何をするべきなのかを追いかけています。
別世界としての仮想現実??
ビルから転落死した万津幸矢は、自宅のパソコンを使って「ネオ・ジパング」という仮想世界の国家に通いつめていたようです。
幸矢の母である万津蒔子は、息子は昔から現実逃避癖があったと話します。現実逃避の行き先が、別世界の仮想現実だったのではないかと言うのです。
【相棒】における「別世界」で思いつくのは【相棒17最終回「新世界より」】で語られた「楽園の扉」です。
「楽園の扉」では、あるSNSで行き場を無くした人たちが、情報化から隔離された世界に逃避して生きていました。その世界は「先生」と呼ばれる人物が廃村を買い取り人工的に新世界を作ったものでした。
現実世界に疲れた人が逃避したくなる気持ちは理解できます。旅行などはつかの間の小さな現実逃避と言えます。
万津幸矢はVRで自分が受け入れられる別世界を見つけた、ということでしょうか。
ネオ・ジパングから漂うカルト臭
「ネオ・ジパング」がどのような目的で運営されているのか、気になるところです。今のところ、悪意がたっぷりありそうに見えます。
加西周明は、右京さんに悪意を指摘されても反省しなさそうなイメージがあります。
加西が「建国の父」と呼ばれたり、イザナという絶対君主がいるという仮想現実に、カルト的な集団のイメージが湧いてきます。
現実から目を背けて「ネオ・ジパング」の世界に盲目的に入り浸ったことで万津幸矢の人生が悪いほうに変わってしまったとしたら「ネオ・ジパング」は危険な世界です。
顔を見せ合うことで不安が消える?
右京さんと亘が体験した「ネオ・ジパング」の世界では、右京さんたちは袴姿のアバターで歩き回っていましたが、顔は見える状態になっていました。
右京さんは亘の顔を、亘は右京さんの顔をバーチャル世界で見ることができます。右京さんたちが花売り娘の恰好をした風間楓子を見つけたのは、楓子の身体は花売り娘のアバターでしたが、顔は現実のものだったからです。
オンラインゲームやTwitterなどのSNSが隆盛する現代社会では、多くの人がネットの中だけで交流する人間関係を構築しています。リアルとは別世界の場所では顔出しを好まない傾向がありますが「ネオ・ジパング」は顔が見える世界です。
「ネオ・ジパング」に参加する人たちは、VRの世界で他人に顔を見せ合うことに、抵抗感はないのでしょうか。
逆に考えると、顔が見えるからこそ「ネオ・ジパング」の世界に安心するのかもしれません。
顔が見えない世界は「ネットの向こう」という感覚が強いものですが、顔が見えると、ネットの向こうがリアルに近づき、リアルとバーチャルが逆転してしまう可能性は高まります。
そこに悪意が侵入する隙がないとは言えません。
「ネオ・ジパング」では年に数回、イザナが虚栄の市に現れて、リアルの超高級品を、100分の1ほどの値段で売るそうです。購買希望者が多いため、抽選になるとか。
閉鎖的な社会。うーん、詐欺の臭いが漂ってくるなあ。
すべてが明らかになる次回が楽しみです!
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