放送開始20周年を迎えたドラマ【相棒】は、2020年10月から新シーズン【相棒19】が放送されています。
【相棒19】は新レギュラーに「こてまり」こと小出茉梨(こいでまり=森口瑤子さん)を迎え、水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)がたった2人の特命係として事件を解決に導きます。
この記事では2020年11月11日に放送された【相棒19第5話「天上の棲家」】のネタバレを含めた感想などを記述しています。
(画像引用=テレビ朝日)
第5話「天上の棲家」はどんな話?
【相棒19第5話「天上の棲家」】
2020年11月11日放送
どんな話?
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、収賄疑惑が持たれた衆議院議員の白河達也(湯江タケユキ)が、自宅にゴミをまかれた“嫌がらせ”の捜査を押しつけられる。白河家は、大臣を輩出した政治家一族で、長年実権を握っているのは、達也の義理の母・貴代(冨士眞奈美)だった。貴代には、24年前、夫が収賄疑惑のさなかに自ら命を絶った過去があり、当時二課だった右京が、捜査を担当していたという因縁が。そんな中、達也の息子が誘拐されかける事件が発生。“告発者X”を名乗る人物から、達也宛に『会見を開き、罪を告白しなければ、家族を殺す』という脅迫文がもたらされた。Xとは、収賄疑惑を報じた日刊誌の情報源で、取材したのは、特命係と繋がりのある元検事の黒崎(内田裕也)だった。黒崎いわく、達也は白河家の婿という窮屈な立場を飛び出し、対立派閥に入るため、金が必要だったのではないかという。その後、Xの要求通り、会見を開いた達也だったが、衆人環視の中で予想外の発言を始める。(引用=テレビ朝日)
主な出演者・スタッフ
出演者
杉下右京=水谷豊
冠城亘=反町隆史
小出茉梨=森口瑤子
伊丹憲一=川原和久
芹沢慶二=山中崇史
角田六郎=山西惇
青木年男=浅利陽介
出雲麗音=篠原ゆき子
益子桑栄=田中隆三
中園照生=小野了
☆
白河貴代=冨士眞奈美
白河達也=湯江タケユキ
白河瑞江=池田香織
木田剛=伊藤正之
黒崎健太=内田裕也
ほか
スタッフ
エグゼクティブプロデューサー=桑田潔
チーフプロデューサー=佐藤涼一
プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
脚本=斉藤陽子
音楽=池頼広
監督=権野元
ほか
その後どうなった?(ネタバレ)
貴代が右京さんに「あなたが殺したのよ」
達也は午後7時からの会見で、息子が襲われて妻がケガをしたこと、脅迫状がありその送り主が告発者Xであること、会見で罪を認めなければ家族を殺すと書かれていたと発表する。
(画像引用=テレビ朝日)
その責任はデタラメな記事を書いた一部の日刊紙にあると発言する達也は、収賄など事実無根、潔白であると言い切る。
家に戻った達也に妻の瑞江が「どうしてあんな発表をしたの」とつっかかるが、母の貴代が瑞江を平手打ちして場をおさめる。ネット上では民意は白河を応援する流れに。
右京さんが貴代の父である亡き十蔵の部屋に入ると貴代がいる。貴代は夫の秀雄が24年前に、捜査二課時代の右京さんの追及の末に死んだ件に触れ「あなたが殺したのよ」と右京さんに言う。
24年前、右京さんは貴代に「いずれまたお伺いします」と話していた。
告発者Xの正体は…
ネット上で達也の収賄関与の証拠となる動画が発表される。
告発者Xは達也の秘書の木田だった。
達也と木田が姿を消した。達也は幹事長からの電話に平謝りで対応し、木田は右京さんからの電話を受信拒否する。
翌朝、右京さんと亘が白河家に赴き達也らの所在を聞くと瑞江は知らないと言うが、息子の大樹は「父様いたよ」という。
右京さんたちは十蔵の部屋で達也が息絶えているのを発見した。
達也が死亡…自殺か他殺か
鑑識の益子さんの検分によると、達也はアルカロイド系の神経毒による中毒死の公算が高いという。傍にあったボトルからは猛毒のトリカブトが検出された。
(画像引用=テレビ朝日)
遺体の近くにあったPCには達也の遺書と思われる文章があった。しかし右京さんはその遺書に不自然な点を感じる。あれだけツラの皮の厚い人間がここまで殊勝に謝罪の文章を綴るだろうか…
白河家の前では瑞江が囲み取材を受ける。死者を美化し、内助の功をアピールしているようにも見えるその姿。
小料理屋「こてまり」で小出茉梨は右京さんと亘に「女は強いばっかりじゃないですよ。したたかですからねえ。おふたりとも充分お気をつけになって」と意味深に言う。
木田が自首する。伊丹・芹沢・麗音の取り調べに対し、達也についての告発や大樹を襲ったこと、脅迫したことなどは認める。
木田は達也の父親である秀雄を尊敬しており、達也のことが許せなかったと話す。収賄の証拠となるやりとりを日刊トップに提出したのも木田。
木田は達也は自殺で、自分が殺したのではないと言う。
その頃、右京さんは特命係のPCで24年前の資料を再読していた。達也の父の秀雄が死んだ時も、アルカロイド系の毒物が使用されていた…
白河家の「呪縛」が事件を生み出した?
白河家を訪れた右京さんと亘は貴代と対峙する。右京さんは「一連の騒動はこの家の呪縛が生み出したもの」であると宣告する。
達也は帝光地所に口利きすることで対立派閥にいる総理にすり寄り、くら替えしようとしていた。そのことに貴代が気づき、達也の反逆であるとして、政治生命を絶つように仕向けた。
しかし達也が記者会見で身の潔白を主張したことから、これ以上好きなようにさせるわけにはいかないとして、達也を十蔵の部屋にかくまうように見せかけて暖かい飲み物に混入した毒物を飲ませた。
達也と義父の秀雄のどちらにもトリカブトを盛れたのは貴代しかいない。
かつて白河十蔵は娘の貴代に「お前の使命は男子を産んで白河の家を継がせることだ」と言った。
しかし、貴代は瑞江しか産めなかった。普通の家ならそれでいいかもしれないが、白河家には日本の行く末を担うという崇高な使命がある。
それなのに貴代の夫の秀雄は収賄疑惑…秀雄が自死か貴代の犯行かは闇の中。
瑞江は大樹を授かった。しかし達也が役に立ったのはそれまで。欲に駆られて白河家に泥を塗るような男をとったのは自分なので、責任を取って後始末をしなければならない…
「私たちがいるのは天上。あなた方とは見えてる景色が違う」
「後始末って、そんなふざけた理由で人を殺すんですか」と憤る亘を「お黙りなさい」と圧する貴代。「政治家一族として生きるためには当然の犠牲です」と言い放つ。
亘が「あなたが奪ったのは瑞恵さん、大樹くんの父親の命です」と気色ばむも貴代は「しょせんは赤の他人ですよ」と笑う。
「他人に家を汚されるくらいなら、夫だろうとたとえ子供の父親だろうと容赦はしません」
右京さんが「あなたは間違っています」と指摘しても意に介さない貴代。「私たちがおりますのは天上。残念ながらあなた方とは見えてる景色が違うんです」
「それこそが呪縛ですよ!たとえあなた方にとって政治家一族であろうとすることがどんなに大事でも、人の命より価値のあるものなどありませんよ!」
白河家を出て警察署へ向かおうとする貴代を玄関で呼び止める瑞江。貴代が深く頷くと、瑞江もまた深く頷き返した。表情を崩して泣き顔になる貴代が、右京さんたちから捜査一課に引き渡されて車に乗せられた。
感想など
日本の将来を担う政治家一族の人間として生きる女性が、その強すぎる呪縛にとらわれて、結局は国民ではなく自分を守るために生きていたという話。自分の人生が本末転倒にならないように気をつけようという教訓になります。
「お前の使命は男子を産むことだ」

間違った上級国民になってしまった
