放送開始20周年を迎えたドラマ【相棒】は、2020年の秋から新シーズン【相棒19】が放送されています。
水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。
この記事では2020年12月25日に動画配信プラットフォーム『TELASA』(テラサ)で配信された【相棒・配信オリジナル「冠城亘はここにいる」】のネタバレを含めた感想などを記述しています。
(画像引用=テレビ朝日)
「冠城亘はここにいる」はどんな話?
【相棒・配信オリジナル「冠城亘はここにいる」】
2020年12月25日配信
どんな話?
小出茉梨(森口瑤子)が営む「特命係」行きつけの小料理屋「こてまり」に、初めて組織犯罪対策第五課長・角田六郎(山西惇)がやってくる。まもなく店に来るという冠城亘(反町隆史)を驚かそうと思いつく角田だったが、実は亘はすでに店の奥にいて…。さらに、そこに思いがけず右京が現れ…?(引用=テレビ朝日)
出演者・スタッフ
出演者
杉下右京=水谷豊
冠城亘=反町隆史
小出茉梨=森口瑤子
角田六郎=山西惇
スタッフ
脚本=輿水泰弘
音楽=池頼広
監督=畑中みゆき
(画像引用=テレビ朝日)
その後どうなった?(ネタバレ注意)
座敷のテーブルの下に潜って隠れる課長。亘と右京を驚かそうと躍起になっている。
戸惑う亘とこてまり。亘は一計を案じ、カウンターの下に移動する。
ほどなく右京が現れ、ポマードの匂いを頼りにして、テーブルの下に課長が隠れているのを探し当てる。
右京は課長に、亘は到着まで15分ほどかかると告げる。仕方なくテーブルの下からカウンターに移動した課長の前に、亘が勢いよく立ち上がり「人を呪わば穴二つ!」と叫ぶ。
右京が「水漏れの修理は?」と白々しく訊くと亘は「直りました」と2人でグータッチ。「助かりました」と笑顔のこてまり。
それを見て「二度と来ないよ」と怒り心頭の課長をこてまりがなだめ、亘は「今夜は俺が腕ふるいますよ」と提案し、満面の笑みでウインクした。
感想など
歴代相棒と比較すると特徴がつかみづらい印象があった冠城亘ですが、このスピンオフでは、お茶目でかっこいい親しみやすさが存分に発揮されました。
テレビシリーズでは熱くなってきた冠城亘
【相棒14】で初登場した冠城亘は、それまでの相棒と比較して感情移入しづらい印象がありました。
法務省から出向したエリート。女性好き。何を考えているか分からない。伊丹刑事や芹沢刑事、青木年男らを利用するのがうまい…
最初は亘を「同居人」と呼んでいた右京さんとの距離は、少しずつ縮まってきました。
亘のやさしい性格がクローズアップされ始めたのは【相棒16】あたりから。奔放な笑顔で誰からも愛される青年が殺害された事件では、怒りを我慢できずに犯人に詰め寄りました。
キッチンカーの女性店主が狙われた事件では、女性を守るために犯人に足を刺される重傷を負いました。事件の解決後には、女性とのせつない別れも描かれ、視聴者の涙を誘いました。
【相棒18】では、キッチンカーの女性が今度はは拉致監禁されてしまい、亘は意地でも見つけ出そうとして暴走しました。
また、右京さんのロンドン時代の元相棒である連続殺人犯から右京さんを守るために単独で行動し、瀕死の重傷を負いました。
やさしい笑顔でウインク炸裂
亘の正義感は右京さんの心にも響いているようで、今ではお互いに全幅の信頼を寄せる相棒となっています。
当初は右京さんの行動や推理力の鋭さを、離れた場所から興味津々に観察していた印象があった亘。数々の凶悪事件と接するうちに学んだのは、右京さんが絶対正義だけで動いているわけではないという点ではないでしょうか。
右京さんの心には人間愛があふれています。法律は社会秩序を守り、国民の生活を豊かにするためにあるものです。右京さんの信念は「人は犯した罪を法によって裁かれなければならない」です。右京さんは人が社会秩序を守る事で、どんな人手も豊かな生活を手にすることができると考えています。
その一貫した姿勢に接しているうちに、亘に「大切な人を命がけで守る」という強い覚悟が成長したように見受けられます。
そんな亘が、凶悪事件とは関係しないコメディの「冠城亘はここにいる」のラストで、やさしい笑顔でウインクを披露しました。この瞬間のかっこよさにはゾクッときます。
亘が今まででいちばん【相棒】ワールドに溶け込んだ、貴重なシーンだったように思います。テレビシリーズ本編でも亘がクローズアップされるコメディータッチのストーリーを見てみたくなりました。
《関連記事》冠城亘とはどんな人物なのか、経歴などをまとめてみました。
【相棒19】冠城亘(かぶらぎわたる=反町隆史)とはどんな人?経歴や女性関係などを紹介!
角田六郎はここにいる?
今回のタイトルは「冠城亘はここにいる」ですが、ストーリーの軸となる登場人物は角田課長でした。
まもなく「こてまり」に到着する亘を驚かそうとイタズラを思いついた課長は、座敷のテーブルの下に隠れます。テーブルを甲羅にした亀のような状態です。
これではまるで「角田六郎はここにいる」ですね。
課長といえば【相棒】シリーズ初期から搭乗して「ヒマか?」という一言で視聴者を和ませ続ける組織対策五課のリーダーですが、このところはストーリーに大きく関わってくることは少なくなっています。
最新シーズンの【相棒19】では、初回スペシャルで、反社会的勢力の根城に右京さんと亘が勝手に乗り込んだ件に対して怒り狂っていた姿が印象に残っているくらい。
【相棒19】ではゲスト登場人物に焦点が当たる濃厚なストーリーが続いているため、レギュラー出演者の出番は控えめになっています。
だからこそ「杉下右京はここにいる」での伊丹刑事、芹沢刑事、出雲麗音や「冠城亘はここにいる」での角田課長の登場は、シリーズのファンにとっては嬉しいところ。
あとはコアな【相棒】ファンに絶大な人気がある大河内監察官あたりが出てきたら、完ぺきだったのかもしれません。
当サイトのイチオシである鑑識課の益子さんによる「鑑識・益子桑栄の事件簿」なんてスピンオフが出来たら卒倒してしまいそうです。
角田課長についても、部下の大木長十郎と小松真琴はいなくなってしまいましたが、また「課長回」と呼ばれる大捕物ありのエピソードが放送されることを楽しみにしています。
コントで笑える「何でもありの相棒」
「杉下右京はここにいる」は、伊丹刑事や芹沢刑事が亀山薫と小野田官房長について語る、ファンにはたまらない神回となりました。
一方で「冠城亘はここにいる」は、角田課長のしょーもないイタズラに亘が困らせられる形で、亘のやさしさがクローズアップされました。
どちらもコメディーが得意な輿水泰弘んの脚本による「コント」となりました。有料動画配信サービスのTELASAに加入するほどの【相棒】ファンにとっては、素敵なクリスマスプレゼントとなりました。
さて、【相棒19】後半戦のスタートとなる2021年の元日スペシャル「オマエニツミハ」では、岸谷五朗さんをゲストに迎えてシリアスな展開が待っているようです。
「何でもありの相棒」が、これからも良い意味で視聴者の期待を裏切ってくれることを期待します!
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