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【相棒19元日「オマエニツミハ」】ネタバレ&感想…少年犯罪被害者と右京さんの意見の違いとは

放送開始20周年を迎えたドラマ【相棒】は、2020年の秋から新シーズン【相棒19】が放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

この記事では2021年1月1日に放送された【相棒19第11話・元日スペシャル「オマエニツミハ」】のネタバレを含めた感想などを記述しています。

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(画像引用=テレビ朝日)

第11話・元日SP「オマエニツミハ」はどんな話?

【相棒19第11話・元日スペシャル「オマエニツミハ」】

2021年1月1日放送

どんな話?

区役所・生活福祉課職員の鎌田(永嶋柊吾)が何者かに撲殺される。臨時職員ながら誠実な仕事ぶりで上司や同僚からも信頼が厚い鎌田だったが、彼にはもうひとつの顔が。実は業務を離れたところでは経済的弱者、社会的弱者をののしり、家に悪質な張り紙を貼るなどの嫌がらせやSNSでのヘイトスピーチを繰り返していたのだ。

 

事件直前にも、何者かに後をつけられていた鎌田。さらに、犯人とおぼしき人物が「右足をひきずっていた」と聞いた「特命係」の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、怨恨の可能性も視野に入れ、捜査を開始する。

 

同じ頃、右京の前に仁江浜光雄(岸谷五朗)と名乗るフリージャーナリストがあらわれる。「数々の難事件を解決してきた杉下右京を取材したい」という申し出をにべもなく断る右京。

 

しかし簡単には引きさがらないと宣言した仁江浜は、事件現場にまであらわれ、右京に“少年犯罪”と“正義”に関しての議論をもちかける。

 

ほどなくして、鎌田は過去に連続暴行事件を起こし、少年院に入っていたことが明らかになる。連続暴行事件の被害者のなかには、事件で右足に大怪我を負ったという瀬川利光(趙珉和)の名が。容疑者の最有力に浮上する瀬川だったが、その矢先に、伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)の目の前でまさかの事態が発生する…!(引用=テレビ朝日)

主な出演者・スタッフ

出演者

杉下右京=水谷豊
冠城亘=反町隆史

小出茉梨=森口瑤子
伊丹憲一=川原和久
芹沢慶二=山中崇史
角田六郎=山西惇
青木年男=浅利陽介

出雲麗音=篠原ゆき子

益子桑栄=田中隆三

土師太=松嶋亮太

内村完爾=片桐竜次
中園照生=小野了

大沼浩司=岸谷五朗

山根朱美=中村映里子

瀬川利光=趙珉和

柚木竜一=平埜生成

峯田達郎=緒形敦

鎌田弘明=永嶋柊吾

吉村隆明=諏訪太朗

中西=永倉大輔

長谷部雄大=柾木玲弥

鎌田美千代=松浦佐知子

岡元文彦=おかやまはじめ

大沼直樹=青木柚

柿沢優香=田中ヒロコ

五十嵐美幸=鮎川桃果

白波瀬=櫻井章喜

川北静香=真凜

社美彌子=仲間由紀恵
甲斐峯秋=石坂浩二
ほか

 

スタッフ
エグゼクティブプロデューサー=桑田潔
チーフプロデューサー=佐藤涼一
プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
脚本=瀧本智行
音楽=池頼広
監督=権野元
ほか

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(画像引用=テレビ朝日)

その後どうなった?(ネタバレ)

鎌田を鉄パイプの棒で殴り殺したのは瀬川と共犯の女の2人。

少年犯罪の犯人が次々に狙われる

伊丹や芹沢たちが瀬川を見つけて後を追うと、瀬川は「空しい。すべて空しい」と言い残して跨線橋から飛び降りる。瀬川と一緒にいた女はワゴン車で走り去る。

 

目前で容疑者に自殺されてしまった事で伊丹と芹沢は内村刑事部長と中園参事官から自宅謹慎を言い渡される。

 

タブロイド紙「日刊トップ」に鎌田や瀬川の事件のスクープが掲載され、記事を担当したのは仁江浜だった。

 

五十嵐美幸という女性をDVしていた売れないホストの長谷部雄大という男が首を絞められ、額から出血して死んでいた。

 

長谷部は11年前、16歳の時に空き巣に入り、帰ってきた大槻亨に出くわし、バールで殴って首を絞めて殺害していた。

 

大槻の恋人は山根朱美といい、少年事件では加害者の情報は被害者家族には教えられるが恋人には教えてもらえない決まりがあり、朱美は悲嘆に暮れていた。

 

朱美は瀬川と一緒にワゴン車に乗っていた女。長谷部を殺したのは朱美だった。

仁江浜の正体は…

長谷部が襲われた事件の様子が防犯カメラに映っていた。長谷部を襲ったのは朱美だけではなく、仁江浜も共犯だった。仁江浜は防犯カメラに向かって「杉下さん、また会いましょう」と語りかけていた。

 

右京は「ニエハマミツオ」は文字を入れ替えると「オマエニツミハ」となることに気がつく。

 

仁江浜と朱美は特殊詐欺グループのリーダーである柚木竜一を襲い、拉致する。

 

右京と亘は犯罪被害者家族が交流する「じにあ」という場所に出向き、そこで瀬川と朱美が知り合ったこと、さらにその頃に在籍していた大沼浩司という人物が仁江浜であることを突き止める。

12年前の事件…杉下右京の後悔

12年前…2008年、右京は別の事件を追う途中で、中学生の集団を見かけて嫌な予感がした。しかし事件のほうを優先し、帰りにさきほどの場所に立ち寄ってみると、廃工場が爆発した。

 

右京は中で倒れている少年2人のうち1人目を助け出したが、2人目を救出に向かおうとしたところで再び大爆発が起き、残された少年は助からなかった。

 

この時に右京に助けられたのが柚木で、死んだ少年は大沼浩司の息子の直樹だった。

 

浩司の妻は直樹を出産した時に亡くなり、浩司は新聞記者をやめて事務職につき男手ひとつで直樹を育てていた。

 

直樹は「将来、新聞記者になって困ってる人を助ける記事を書きたい」と父に夢を語った。

 

直樹のクラスメートが柚木たちのグループにいじめられていて、直樹はそれを許せずに柚木に注意した。柚木はそれが気に食わずに直樹をリンチすることにした。

 

柚木の父は反社会勢力組織の人間で、柚木は拳銃を持っていた。その銃で直樹を殺すぞと威嚇射撃をしたところ、廃工場が爆発したのだった。

どちらを殺すか二者択一を迫られて…

浩司はこてまりを拉致して、こてまりのスマホを使って右京を呼び出す。

 

浩司は12年前に爆発事件があった現場に右京を連れていき、椅子にしばりつける。右京の目の前には縛りつけられた柚木とこてまりがいた。

 

「なぜ犯罪者を救って、息子を救ってくれなかったんだ」と声を荒らげる浩司に右京は「救える命から救う判断は間違っていなかった」と反論する。

 

しだいに狂気じみていく浩司は「頭じゃわかっていても、ここが言うことを聞かないんですよ」と胸を手で押さえる。

 

浩司は右京に、柚木かこてまりかどちらを助けて欲しいか言えば、その1人だけは助けると持ちかける。

 

右京さんは「僕を撃ちなさい!」と答え、微笑む。その瞬間に亘が飛び出し、浩司を捕まえる。揉み合ううちに拳銃から弾が発射し柚木の肩をかすめる。

 

伊丹と芹沢も到着し、柚木は救急車で運ばれ、浩司と朱美は連行された。

 

浩司を中心とした壮絶な復讐劇は幕を閉じ、右京と亘は、甲斐峯秋とともに、年越しを「こてまり」で過ごして酒を飲みまくった。

感想など

2021年の元日スペシャルは、少年犯罪や少年法について、被害者側の感情と右京さんの捉え方に壁が作られていて、一方的な意見の押しつけではなく、何が正しいのかを視聴者が改めて考えるきっかけとなる、素晴らしい問題提起回となりました。

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(画像引用=テレビ朝日)

右京さん「感情で善悪を判断するのは危険」

少年犯罪が報道などで明るみになるたびに、少年法は加害者少年に甘すぎるという意見が飛び交います。法律適用年齢の引き下げや、少年法そのものの撤廃を提案する声も少なくありません。

 

しかし右京さんは1980年代をピークに少年犯罪は減少している点を挙げ、一部のメディアが煽りSNSが拡散することでそう感じる人がいるという見解を述べます。

 

少年法の、人間形成のできていない少年に矯正教育を施し社会へ送り出すという方針は、間違っていないと右京さんは説明します。

 

とはいえ、被害者の側に寄り添うと、加害者が未成年であるだけで厳罰に処されないのはどうなのかと、不満がくすぶるのも否定できません。

 

大沼浩司が「大衆が求めているのはきれいごとではなく、感情に直接訴えかける言葉だ」と反論すると、右京さんは「感情で善悪を判断するのは危険です」と厳しく指摘します。

 

大衆は常に感情移入しやすいほうに流されます。感情の一致が数の暴力に変化してしまう時もあります。

 

右京さんが言っていることは、まったくその通りです。

反省せずに「自分は少年Aだから」

しかし、矯正教育を施してもどうにもならない奴がいるのも事実です。

 

今回のエピソードで二番目に殺害された長谷部雄大は、16歳の時に空き巣に入った際、住人と鉢合わせとなり、住人をバールで殴り首を絞めて殺しました。

 

長谷部は取調べに対して「未成年は罪にならないんですよね?」と問いかけ、そんなことはないと言われても「自分は少年Aだから」と、守られることを前提に話します。

 

被害者の恋人は、家族ではないために加害者少年について警察に何も教えてもらえず、悲嘆にくれました。

 

11年後の長谷部は、女のヒモになっていました。ちょっとムシャクシャすると女に手を上げ、女の財布を奪って勝手に買い物に行きます。

 

こんな男に殺された人物の恋人は、とても我慢がならないでしょう。

残された者の悲しみとモヤモヤ

12年前、廃工場での爆発事件の際に、右京さんが助け出したのは加害者の柚木竜一で、助け出せなかったのが被害者の大沼直樹でした。

 

中学生の竜一はいじめグループのリーダーで、いじめを止めようとする直樹に制裁を加えるために廃工場に連れ出し、拳銃で脅しました。

 

爆発後の工場で右京さんに助けられた竜一は、12年後、特殊詐欺グループのリーダーとして暗躍します。

 

右京さんに助けられなかった直樹は、生前、父親に「将来は新聞記者になって、困っている人を助けたい」と語っていました。

 

助かった命が逆だったら、という想像もしてしまいますが、それはあまり意味がありません。

 

右京さんの後悔は「事件が起きる前に彼らに声をかけていたら」という部分です。「救える命から救うという判断に間違いはなかった」と言い切りました。

 

それでも、納得できないのが、被害者の残された家族です。

 

自分の息子を殺した人物が悪いことをして平気で生きているのだから。頭ではわかっていても、心では…

少年よりひどい行為で復讐する大人

大沼浩司が選んだ行動は「復讐」でした。

 

少年院で矯正教育を受けても更生せず、社会に害を及ぼし続ける者をこの手で処刑してやると決意しました。

 

同じように復讐を企てる人物の凶行をサポートし、最後に直樹を死に至らしめた柚木を拉致します。

 

そして、柚木が直樹にそうしようとしたように、拳銃で柚木を殺そうとしました。

 

しかし、ここに大きな間違いがあります。復讐で人を殺して良い道理などありません。

 

大沼浩司は、人間形成ができているとされる年齢の成人です。新聞記者でもあった彼が、犯罪という行為の醜さを知らないわけがありません。

 

被害者家族は一転して加害者になってしまいました。

 

少年犯罪や少年法のあり方を感情論で語ることは、危険ではあってもしてはいけないことではありませんが、感情論で復讐に走るのは、どう見ても間違っています。

いじめを止めた正義感が広がってほしい

【相棒】シリーズでは、殺人事件の犯人が10歳の男の子という回があります。少年は、自分は少年法に守られているから罰されることはないと冷静に右京さんに語っていました。

 

この子は亀山薫によって東京拘置所に連れていかれ「平成の切り裂きジャック」こと浅倉禄郎に面会し、恐怖のあまりに心の中の魔物を消すことができたようです。

 

今回のエピソードでは、更生しようとしない少年犯罪加害者への対処法は示されませんでした。

 

今もどこかで、少年法に守られた人物が成人して、特殊詐欺グループを仕切っていたり、悪質なDVを重ねていたり、あるいはもっとひどい犯罪行為をしているかもしれません。

 

一方で、少年法のおかげで更生して人生をやり直している人もたくさんいます。

 

少年犯罪の現状について学習し、じっくり考えてみようと思います。

 

いじめを阻止するために正義を貫いた大沼直樹の魂を、無駄にしないために。

 

その父親のような間違った選択をしないために。